◆和漢膳(わかんぜん)って?◆

和漢膳(薬膳)は、日本人の体質に合わせて、生薬と食べ物を組み合わせて創る料理です。
生薬を食事に混ぜるなんて、まずいだろうと思われるかもしれませんが、
逆にふくよかな美味しさに変わるので皆さまびっくりされます。
栄養価の高い食材を加えるので、体調の良さが体感され、一度薬膳を食べるとやみつきになる方が多いのです。

それなのにどうして日本では一般に広がらないのでしょうか?
ある企業のアンケートで、「薬膳」という言葉から薬くさく、苦い、高価だというマイナスイメージに
繋がっていることが分かりました。
そこで私は、栄養に優れ、体に良いイメージも高いので、ネーミングを変えたら受け入れて
いただけるのではと考えました。
長寿食和食の「和」。禾扁(のぎへん)は穀物の総称。
漢方が基本なので「漢」。
そして食事の「膳」で、「和漢膳」という言葉の誕生です。

 

◆和漢膳(薬膳)の元気スパイラル◆

和漢膳(薬膳)では健康の目安を
● 気(カラダを動かす生命エネルギー)
● 血(血液の循環)
● 水(水分バランス、代謝がよい状態)
で表します。

 

◆オーダーメイドの料理!◆

「薬膳」ではカロリー計算をしません。運動した日や、それぞれの体質、年齢により代謝が違うのに、
一律に同じカロリーで表し、それを基準に食べ、健康を考えるには偏りがあります。

薬膳は季節や食べ物のもつ性質、味が体に与える影響などいろいろな角度から考えて作る料理です。
献立をたてる目安の一つに、自分は冷え性タイプか暑がりタイプかによって食べ物を選食します。
食べ物には性質があるのです。
たとえば玉ねぎ一個、ジャガイモ一個、バナナ一本、ほぼ同じ80kcalですが食性は違います。

■玉ねぎ 温:体を温め、新陳代謝を盛んにする働きがある。
■ジャガイモ 平:温にも寒にも偏らず、滋養・強壮作用がある
■バナナ 寒:体を冷やし熱を除くことから、鎮静効果、炎症を抑える働きがある。

冷え性の方がナス、きゅうり、ゴーヤなどの涼寒性食品ばかりで献立を立てますと、
ますます体が冷えて不調になってしまいます。
冷え性の方は、しょうが、ピーマン、かぼちゃなど体を温め、血流をよくする食品を
多めに食べることで体内バランスが整います。

 

◆旬のパワーを生かして食べる料理◆

四季折々、季節の食べ物と体調はとても関係が深く、旬の食べ物を栄養価の高い薬膳食品と
組み合わせて食べることで、体調を整え病気にかからない体作りをめざします。
衣服の衣替えのように体も衣替えしましょう。

■春 フキノトウ、タラの芽、セロリなどの苦味の食品を食べることで、冬の間こわばった筋肉をほぐし、体を目覚めさせます。
■夏 体を冷やし、余分な水分を出してくれる利尿作用の働きがあるトマト、きゅうり、ナス、とうがんで涼をとり、夏を元気に乗り切ります。
■秋 北風で痛めがちなノドを潤し肺をあたためる働きのある、ぎんなん、梨、秋大根、れんこんで体調をととのえます。
■冬 体を温める効果のある山芋、人参などの根菜類、タンパク質の魚や肉を少し多めに食べて寒さに負けないようにエネルギーを蓄えます。

 

 

食べ物が身体のどこに効果的なのかということや、5つの味でバランスを整える考え方などは
「国際薬膳食育師養成講座(薬膳マイスター養成講座)」で学んでいただけます。
詳しくは、一般社団法人国際薬膳食育学会ホームページ http://www.kokusaiyakuzen-shokuiku.org/をご覧下さい。

 


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